入院中に思う③

②からの続き

中央の出入口から見た四人部屋は、左右の壁に頭を向けてベッドが2台ずつ設置されている。私は左奥のベッド(居室)を与えられ、運び込んだ荷物を下ろすとさっそく室内を見渡してみた。

 

パーティションは、右隣のベッドとの間だけに設置されていた。その厚さ10㎝はあろうか、なかなかドッシリとしている。材料板一枚の造りではなく、間を中空にして二枚を張り合わせているようだ。なるほど、こうすれば重厚感が出て、過ごす人は安心感を得られる。

高さは180㎝以上あって、そこから天井までの部分は吹き抜けてこそいるが、敢えて覗き込もうとする人がいない限り、予期せずに何かを垣間見られることはない。

下半分はダークに塗られた合板が張ってあるが、上半分はすりガラスのようなアクリル板の構造なので暗くもならない。

 

通路を挟んだ向かいの二名との間にはパーティションはなく、仕切りは各ベッド周りに吊るされたお馴染みのカーテンだけである。ただ、足を向け合う同士で、互いのカーテンが間にあり、おまけに通路の分だけさらに距離もあるのだから、まったく存在が気になることはない。

 

部屋自体の広さは、昔よく見た六人部屋位はあるので、四人で使うにはたっぷりと専有スペースがある。

 

長くなったが、これがパーティションで区切られた簡易個室の全貌である。

これなら快適な入院生活を送られそうだ、と思ったのだか…